
前回画面に文字列を出力するコードを学習しました。「System.out.println・・・」という言葉に注目してください。この「System.out」とは、
標準出力(standard output)
と呼ばれる、コンピューターの装置と結び付けられている言葉です。「println」は、その画面に文字列をプリント(表示)することを意味しています。printlnのかわりにprintという言葉を使うこともできます。


上記のようにprintでは1つごとに改行されず、続けて出力されました。使い分けると便利です。
main()メソッド
私たちはまず、このコードの指示が、どこから始まり、どこで終わっているのかを知っている必要があります。まず、
public static void main(String[] args)
と書かれている行を見てください。Javaのプログラムは、原則としてこのmain()と記述されている部分から処理が行われることになっています。
次に11行目にある } を見てください。原則としてこの部分まで処理が行われると、プログラムは終了します。
中カッコ({})で囲まれた部分は、ブロック(block)と呼ばれています。「main」がついたブロックには、特別にmain()メソッド(main method)という名前がついています。
1文ずつ処理する
それでは、main()メソッドの中をのぞいてみましょう。Javaでは、一つの小さな処理「仕事」の単位を文(statemant)と呼び、最後に;(セミコロン)という記号をつけます。すると、この「文」が、
原則として先頭から順番に、1分ずつ処理される
ということになります。
コードを読みやすくする
main()メソッドは、数行にわたって書かれています。Javaコードは、
文の途中やブロックの中で改行してもよい
ということになっているからです。意味のつながった言葉の間などでなければ、自由に空白や改行を入れることができます。つまり、
pub lic sta tic void m ain (String[] args){
などといった表記は間違いですが、
public static void main(String[] args){
というように、空白を入れたり改行してもよいことになっています。
コード中で字下げを行うことを、インデント(indent)と呼びます。インデントをするには、行頭でスペースキーまたはTabキーを押してください。
これから次第に複雑なコードを記述していくことになります。インデントをうまく使って、読みやすいコードを書くことを心がけましょう。
コメントを記述する
main()メソッドについて理解できたでしょうか?//記号のある行を見てください。Javaのコンパイラは、
//という記号からその行の終わりまでを無視して処理する。
ことになっています。//記号のあとには、メモとして入力しておくことができます。これをコメント(comment)といいます。Javaだけでなく、多くのプログラミング言語は、人間にとっては決して読みやすい言語ではありません。コメントを書くことにより読みやすいコードを作成していくことができます。
もうひとつの方法でコメントを記述する
/* */で囲まれた部分がすべてコメントになる
ということになります。複数行にわたってコメントを書くこともできます。//を使うスタイルはコメント記号から行の終わりまで無視なので、複数行にわたってコメントを入力することはできません。
リテラルとは
文字の列を出力する簡単なコードを学びました。これまでのコードを応用して、Javaの文字・数字・文字列の書き方を学ぶことにしましょう。


Sample1_03_3では、さまざまな文字や数値が出力されています。’A’、”ようこそJavaへ!”、123といった特定の文字や数値の表記を、Javaではリテラル(literal)と呼びます。
一定の「値」を表すために用いられる、Javaの単語のようなもの
と考えてみてください。
文字リテラル
- 一つの文字
- 文字の並び(文字列)
の2種類のリテラルを区別して扱っています。一つの文字は、文字リテラル(character literal)と呼びます。実行結果から画面には’ ’がつかずに出力されることに注意してください。
エスケープシーケンス
ところで、文字の中には、キーボードから入力できない特殊な文字もあります。このような文字については、¥を最初につけた2つの文字の組み合わせで「1文字分」を表すことができます。これをエスケープシーケンスといいます。
なお、環境によっては、¥が\(バックスラッシュ)として表示される場合があるので注意してください。


「¥¥」「¥’」と記述した部分が、「¥」「’」と出力されています。
文字コード
コンピューターの内部では、文字も数値として扱われています。Javaでは、Unicode(ユニコード)と呼ばれる文字コードが使われています。


Unicodeでは8進数の「101」がA、16進数の「61」がaに対応しています。
文字列リテラル
文字1文字に対して、複数の文字の並びを文字列リテラルといいます。’ ’ではなく” “でくくって記述します。
- ”Hellow”
- ”Goodbye”
- ”こんにちは”
出力された文字列には” ”がつかないことに注意してください。
数値リテラル
Javaコードには、数値を記述することもできます。数値には、次のような種類があります。
- 整数リテラル(integer literal) 1、3、100など
- 浮動小数点数リテラル(floating-point literal) 2.1、3.14、5.0など
整数リテラルは、’ ’や” ”でくくらないで記述してください。整数リテラルには、一般的な表記法以外にも、いろいろな書き方があります。例えば、8進数、16進数で数値を表記することもできます。
- 8進数…数値の先頭に0をつける
- 16進数…数値の先頭に0xをつける


10進数、8進数、16進数で表記した「10」を出力してみました。数値は、” ”の中に入れていません。数値と文字列を組み合わせて出力するには、+記号でつないでください。
いろいろな数値の表記法を使用しても、画面には10進数で出力されます。